開発チームはいる。でもFISC対応を組織横断的に進められる適任者がいない。CTOが抱え込むしかないのか?
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開発チームはいる。でもFISC対応を組織横断的に進められる適任者がいない。CTOが抱え込むしかないのか?

UPWARD株式会社 SaaS(フィールドセールス向けCRM) 2026年4月

CTOが抱えていた課題

開発エンジニアは30名以上いる。プロダクトの開発体制は充足している。

しかし、セキュリティ、コンプライアンス、クラウドアーキテクチャ設計——こうした組織横断の専門領域には、まだ手が回っていなかった。

2026年初頭、FISC安全対策基準への対応が求められた。金融機関が発行したRFPの必須要件だ。原文は700ページ超、統制・実務・設備・監査の4基準にわたる数百の対策項目。各項目について自社環境との適合性を判定し、ギャップがあれば対応方針まで示す必要がある。RFP回答の期限は5月末。3月末までに方針を確定させなければならない。

ISMSは取得済みだったが、FISC安全対策基準は個別の対策項目ごとに準拠状況を示す必要があり、ISMSの枠組みだけではカバーしきれない。金融規制、クラウドセキュリティ、組織統制が交差する領域で、CTOが他の業務を全て後回しにしてフルコミットする覚悟だった。

「西ソフトがいなければ、私がフルタイムで張り付くしかなかった」 — 執行役員CTO 門畑 顕博 様

プロジェクトを振り返るCTO門畑様 プロジェクトを振り返るCTO門畑様

プロジェクトの成果

CTOが本来の仕事に戻れた — 門畑CTOが想定していた2〜3ヶ月のフルコミットに対し、西ソフトが分析と技術助言を一括で引き受けたことで、CTO自身の関与は週次のヒアリング対応に圧縮された。経営判断やプロダクト開発と並行して進められた。

「あとはやるだけ」の状態を1ヶ月で作った — 3月末の時点でFit/Gap分析と対応方針が確定。4月から具体的な実行フェーズに移行し、5月末のRFP回答期限に対して2ヶ月の対応期間を確保できた。

単発レポートではなく、セキュリティ管理基盤になった — 納品した成果物をUPWARD社がマスターデータベースとして拡張。ギャップ項目ごとに担当者と期限を設定し、コーポレートチームと連携して対応を進めている。

「何が足りていて、何が足りていないのかが早い段階で明確になった。あとはやるだけ、という状態を作れたのが一番の成果だと思います」 — 門畑CTO

西ソフトのアプローチ

西ソフトは、CEO/CTO西方(セキュリティ・クラウドアーキテクチャ専門、ホワイトハッカー)の知見をベースに、本プロジェクト専用の分析ハーネスを構築。700ページ超のFISC原文と複数の顧客ドキュメントを正確に処理する環境を整え、1ヶ月という短期間でFit/Gap分析の完了、対応ロードマップの策定、CSIRT組織体制の雛形設計、アーキテクチャ改善の技術助言までを一気通貫で遂行した。

分析ハーネスとクロスリファレンス

まず、FISC安全対策基準(第13版)の全文を構造化データとして整備した。4基準の各対策項目をマスターデータ化し、項目間の依存関係や参照構造を機械的に追跡できる状態にした。

この構造化データに対し、UPWARD社から受領したセキュリティホワイトペーパー、ISMS関連文書、Azure環境の構成情報をクロスリファレンスで突合。テキスト情報だけでなく、ネットワーク構成図やフローチャートなどの図面資料についてもビジュアルOCRで構造を抽出し、対策項目との対応関係を分析した。

この初期マッピングの全件に対して、CTO西方が検証・修正を行い、判定精度を担保した。

1ヶ月の進め方

内容
第1週FISC基準の構造化データ整備と、UPWARD社のセキュリティ文書の精読・クロスリファレンスを完了。Fit/Gap判定の初版を作成
第2週ヒアリングを通じてBusiness/Product両面の対応状況を確認。Fit/Gap判定の精緻化
第3週Gap項目に対する対応方針の策定と、Azure環境のアーキテクチャ改善に関する技術助言
第4週最終報告書を納品。FISC全項目のFit/Gap分析と、分析過程で明らかになったセキュリティ課題への技術アドバイスを提出

UPWARD社との間では、リアルタイムのフィードバックサイクルを構築。双方が並行して作業を進め、UPWARD社側の回答を待つことなく西ソフトが仮説ベースで判定を先行記載することで、プロジェクト全体のスループットを維持した。

「こちらの確認が追いつかないところも、先に仮説を立てて進めてもらえたのは助かりました。品質も非常に良かった」 — 門畑CTO

UPWARD社のプロダクト・テクノロジー拠点 Sales AI Innovation Lab UPWARD社のプロダクト・テクノロジー拠点「Sales AI Innovation Lab」

納品物

  • FISC安全対策基準(第13版)全項目のFit/Gapレポート — 金融機関RFPへの回答にそのまま転用可能
  • ギャップ項目ごとの対応ロードマップ — 優先度・担当・期限を明示
  • 技術助言書 — Hub-Spoke型ネットワーク設計、CSIRT組織体制、IaCツール導入、サプライチェーン攻撃対策

UPWARD社の皆様 UPWARD社の皆様(左から)阿知波様、CEO金木様、CTO門畑様、CPO剣持様